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東日本大震災の実情

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東日本大震災の実情

<<東日本大震災の発生>>
3月11日14時46分東北地方・三陸沖の太平洋プレートが2分程で全長500Kmに渡り崩壊、M9.0という大地震が発生した。
震度6弱〜7という強い揺れが岩手・宮城・福島・茨城の太平洋側全域。
千葉・群馬・埼玉県にも及んだ。(鹿児島ですら震度1が観測された)

<地震による直接被害>
震源域の各地で停電・断水・ガス管破断が多発。小規模火災発生と崖崩れ、家屋・道路破壊と死傷者の発生。阪神大震災と違い地震多発地域で地域耐震性はかなり高く直接の被害はかなり軽微であったと言われている。
(三陸沿岸を縦断して全壊家屋を見たのはたったの2軒だけ)しかしその被害の詳細は直後の大津波によって全て押し流され永遠に調査不能。

<大津波の発生と襲来>
しかしこの地震の直後から三陸沿岸一帯で大規模な引き潮を観測。
約30分〜1時間後には太平洋岸一円に大津波が来襲、波高は平均10〜15m、狭隘部の一部では遡上標高は40mに達した。
これにより青森県南部〜茨城県北部沿岸の町は壊滅〜全滅の被害今回の地震による死者・不明者約20,000人の95%以上が津波の犠牲者。

<大津波の反省>
この地方は元々M6〜8.0クラスの大地震と大津波が度々発生するので有名な地域。
特に明治29年の大地震と大津波は最大波高20m弱、遡上標高38mという今回とほぼ同規模でM8.5死者・不明22,000人。
決して「未曾有の大津波」「千年に1度」ではない。
(75年に1度なら判りますが)
それでも今回約20,000人もの犠牲を出してしまった原因は主に
・元来高齢者が多い過疎地域。
・津波を軽視して逃げなかった(特に10m大堤防があった地区)
・2日前の予震で津波が来なかったので来ないと思った。
・隣町の仕事場から家に帰って(!!)のんびり支度してたら流された。
・市街地ではやってはいけない自動車での避難(渋滞する車ごと流された)
・町によっては津波を軽視して避難広報すら出さなかった。
・津波対策本部や地震避難場所をよりによって低地の広場に設定していた。
とかなり津波を軽視していた事が伺える。


<大津波直後の人々>
この地方の人口は約500万人。
この時点で約200万人が沿岸部の被災域にいて内約23万人が大津波により直接被災し、この内約2万人が死亡か行方不明。
残りの約21万人が廃墟に取り残された。
・孤立部は1週間以上カンパン・毛布すらない(平均気温2℃)
・1日1人に付きオニギリ1個300Kcalと水350ccという最悪以下の食事環境。
(最低必要量の約1/5。これが2週間!!)
・極度のガソリン・軽油不足により発電機・ストーブが動かせない。
・飢え・渇きの余り壊れた自動販売機を壊しコンビニを漁る人々。
・薬が無く次々と亡くなって行く持病を持った高齢者。


<避難所での人々>
2週間目前後から避難所での生活が始まり取り敢えず生命だけは保証されたが劣悪な生活は変わらない。
・外も中もアスベストとコンクリート粉塵だらけの生活(マスク無しで)
・痴漢多発で子供が一人でトイレにすら行けない避難所周辺の治安。
・家財道具を探そうにも灰色一色の廃墟をうろつく不審者や火事場泥棒。
・水/カンパン/オニギリ/味噌汁と毛布だけはあるが後は何もない生活。


<大規模停電と交通の遮断>
大地震が余りにも広範囲だったので東日本各所の発電所が機能停止(東日本では3月11日時点で約5000万Kw/時が稼働していた)ところが今回の大震災で東京電力と東北電力 で1500万Kw/時の稼働発電施設が機能停止。
供給電力の30%を喪失し関東一円で大停電を引き起こした。
あわせて交通もマヒ。静岡県も富士=静岡間で寸断された。
結局鉄道や交通が復旧したのは24時間後で計画停電は3月末まで続いた。
(幸運だったのは次の4月が1年で最も電力需要が少ないという事でこれが8月や12月発生なら3ヶ月間はもっと過酷な計画停電になっていたはず。)

<福島第一原発事故>
東京電力・政府・関係機関の対応の遅さから事態はメルトダウン(炉心溶融)事故にまで悪化。
広域放射能汚染で東北一円に大被害+風評被害をもたらした。
今回の地震損害額約25兆円の2/3はこの事故が原因である。
当然日本の国際信用度はガタ落ち。原発排斥論が爆発し今後代替エネルギーが確立するまでは総電力の2割は使えないという状態。
エネルギー=経済力とすら言えるので当然日本の経済力の長期間足枷になる。
原発周辺は30年近くは近づけないだろう。  


角野 博紀

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